爆発事故…整備不良と過積載が原因

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2003年1月に埼玉県久喜市内の鉄骨製造会社で発生し、2人が死亡した大型トラックの横転・爆発炎上事故について、埼玉県警は24日、事故は鉄スラグの不適切な輸送によって発生したと断定し、輸送を行っていた産業廃棄物処理業者を経営する62歳の男を業務上過失致死容疑で書類送検した。

埼玉県警・捜査1課によると、問題の事故は2003年1月9日に発生している。同日の午前4時40分ごろ、久喜市河原井町付近にある鉄骨製造会社の敷地内で、溶解した鉄を精錬する途中で出る不純物「スラグ」を運搬していた10トントラックが工場敷地内の曲がり角でバランスを崩して横転。

この事故で高温(約1000度)のスラグを収めた釜がトラックの燃料タンクを直撃、高熱によってタンク内の燃料が爆発した。

警察では事故の原因を調べていたが、スラグ輸送に使われていたトラックは専用車ではなく、通常の大型トラックにスラグ用の容器を搭載する形で輸送が行われていたことが後に判明した。また、最大積載量も常にオーバーしていたばかりか、工場内に限定して使用していたために必要な整備は全く行われていなかったことがわかった。

事故を起こしたトラックは左後輪の板バネ8枚のうち、3枚が破断しており、警察では「これが発端で車両に傾きが生じ、運搬していたスラグが流出したことから事故に至ったもの」と断定。輸送を担当していた産業廃棄物処理業者を経営する62歳の男の安全判断に怠りがあったとして、業務上過失致死容疑で書類送検した。

《石田真一》

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