茨城県警は19日、今年4月に土浦市内で大型トレーラーとの追突事故を起こして死亡した元警視庁・千住署所属の57歳巡査部長が、この事故を起こす直前、重傷ひき逃げ事件を起こしていたことを明らかにした。
警察では被疑者死亡のまま、業務上過失傷害と道路交通法違反容疑で書類送検している。
茨城県警・土浦署によると、問題の事故は土浦市中村西根付近の県道で今年4月9日深夜に発生している。同日の午後11時40分ごろ、右折してきた大型トレーラーの後部に、県道を直進していた乗用車が激突。乗用車はほとんど減速していなかったとみられ、大破した。
この事故で乗用車を運転していた警視庁・千住署所属の57歳巡査部長が全身を強く打ち、出血性ショックが原因で死亡している。
その後の調べで、この巡査部長は追突事故を起こす直前、現場から2.2km手前の土浦市荒川沖付近の国道6号線で、道路を横断しようとしていた66歳の男性をはねるという事故も起こしていたことがわかった。
男性はこの事故によって頭を強打する重傷を負ったが、クルマはそのまま現場から逃走している。この際に目撃されたクルマの車種が、巡査部長が乗っていたものと同一であることがわかり、事故の関連性がクローズアップされた。
また、この巡査部長は事故の約2時間前まで上司と一緒に飲酒を含む食事をしていたことが判明。時間経過からも酒気帯び運転の可能性が高くなった。
このため警察では酒気帯び運転を行った巡査部長が重傷ひき逃げ事故も起こし、現場から逃走しようとした際に大型トレーラーとの追突事故を起こしたと断定。巡査部長を業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)容疑で被疑者死亡のまま書類送検した。
これについて警視庁では「このような事故を起こしたことは誠に遺憾。職員に対する指導や教育を徹底させたい」とコメントしている。