警視庁など、10都県警による合同捜査本部は18日、病院をターゲットに金庫盗難を繰り返していた中国人窃盗グループのメンバー7人を窃盗容疑で逮捕した。
このグループによる犯行は判明しているだけで100件を超えており、犯行に関与したメンバーも50人を超えていると思われる。
警視庁・捜査3課によると、今回窃盗容疑で逮捕されたのは、いずれも中国国籍を持つ、30歳の中国人留学生ら7人。直接の逮捕容疑は今年2月23日深夜から翌24日未明に掛けての間、秋田市内の病院に侵入し、事務所内にあった現金約120万円入りの金庫や、ノートPC10台(時価65万円相当)を盗んだ疑いが持たれている。
7人は犯行直後の2月26日、山形県内で侵入に必要とする工具を車内に隠していたとして、特殊開錠用具所持禁止違反(ピッキング防止法違反)容疑で逮捕された。この取り調べの過程で秋田県内の事件を含め、10都県の病院をターゲットに行っていた窃盗容疑の余罪についても発覚した。
犯行に関与したメンバーは全員が日本語を話せないものの、盗難によって入手したとみられるクルマに装着されていたカーナビに「病院」と入力。検索結果に現れた場所をターゲットにしていたという。
メンバーはそれぞれの得意分野を持っていたとみられ、主犯格として逮捕された男が下見を行った後、実際の犯行に参加するメンバーをピックアップ。ターゲットとする施設の侵入難易度で参加メンバーを使い分けていたとみられる。
グループのアジトとなっていたのは東京都北区内の中国料理店で、メンバーは中国人留学生や不法滞在者を中心に総勢50人を超えていたとみられる。
判明した約100件の被害総額は1億5000万円をオーバーしており、警察では逮捕したメンバーを厳しく追及し、犯行の全容解明や逃走を続けているメンバーの摘発を急ぐ方針だ。