高い走行性能と快適性の両立を目指したホンダ『エリシオン』(13日発表)のサスペンションは、商用車と同じ固定軸式が主流だった既存のミニバンとは一線を画したものだ。
サスペンション形式は前後ダブルウィッシュボーン式の4輪独立懸架。フロントはA型のロアアームと大径コンプライアンスブッシュを採用し、旋回時の操縦安定性を確保するセッティングがなされている。
リアは通常のダブルウィッシュボーンに縦方向の荷重を受け止めるトレーリングアームを追加したもので、ミニバンの重量級ボディのモーメントに余裕を持って耐えるレイアウト。
サスペンションの作動の高度さだけでなく、チューニングも徹底的に行われている。前後のロールセンター高とダブルウィッシュボーンの特長である仮想アーム長を適正化して、旋回時の姿勢変化を低減。常に軽いフロントダイブ姿勢が維持されるようセッティングすることで、操縦安定性が高められている。
またフロントのアンチダイブ角、リアのアンチリフト角を増大させることでスプリングのバネレートを落とすことを可能とし、乗り心地、フラット感の向上が図られている。