3日未明、愛知県西尾市内で少年4人が暴走族グループの襲撃を受け、このうち16歳の少年1人が肺挫滅で死亡した。犯行に加わった11人は4日夜までに相次いで警察に出頭し、傷害致死容疑で逮捕されている。
愛知県警・西尾署によると、この暴行事件は3日の午前3時ごろに発生している。「外国人風の男に集団暴行を受けた」という通報を受け、同署員が現場とされた西尾市今川町付近にある神社に急行すると、4人が地面に倒れていた。
このうち1人は意識がなく、近くの病院に運ばれたが肺を著しく損傷(挫滅)したことによる窒息が原因で死亡。他の3人は全身を殴る蹴るされた際に生じた打撲で軽傷を負った。
警察の調べに対し、3人は「外国人風の男にやられた」と繰り返していたが、同じ言葉を繰り返すことに不審を持ち、これを追及したところ「暴走族グループに襲撃され、外国人がやったと言えと強要された。警察に話したらまた暴行される」と供述した。
4人は西尾市内でバイクの2人乗りなどをしていたが、途中で地元を拠点とする暴走族グループに発見され、なかば拉致されるように現場の神社に連れて行かれたという。死亡した少年は当初逃走していたが、携帯電話で脅されて現場へ助けに戻ったという。
警察では傷害致死事件として捜査を開始したが、4日午後から事件に関与したとする暴走族メンバー11人が相次いで同署に出頭。全員を逮捕している。
取り調べに対し、メンバーは「2人乗りをして目立っているからヤキを入れようと思った」と供述しているが、中には「明らかにやりすぎた。途中で止めたけど誰も暴行をやめようとしなかった」など、具体的な状況を供述しているメンバーもいるという。
後の調べで、4人の財布を奪っていたことも判明したため、警察ではこれに関わった数人の容疑を強盗致死や強盗傷害容疑に切り替えることも検討している。