3日未明、大阪府大阪市城東区内の病院から行方不明になっていた85歳の男性が、この病院からゴミの回収を行った清掃業者の所有する収集車の中から遺体で発見されるという事件が起きた。
警察では病院関係者などから事情を聞き、事件がどのような経緯で発生したのかを調べている。
大阪府警・城東署によると、事件が起きたのは3日の午前4時40分ごろ。城東区鴫野西にある病院の関係者から警察に対し、「行方不明になっていた男性患者が誤ってゴミ収集場所に落ちたらしい。収集車の中から遺体で発見された」という通報が寄せられた。
警察が現場となった病院に急行したところ、収集車が回収したゴミの中で男性が倒れているのを発見。病院関係者の指摘するとおり、すでに死亡していた。死亡した原因は全身打撲とみられている。
この男性には老人性痴呆の症状があり、前夜から「家に帰りたい」と訴えていたという。午前4時ごろに行われた見回りの際、この男性がいなくなっていることに看護士が気づいて捜索を行っていた。
病院の扉は大半が施錠されており、開いている場所では職員が出入りを管理している。男性はここを通過しておらず、病院内にいるとされていた。
ところが、同日の午前4時30分ごろ、ゴミ回収を担当する業者が「人間の足のようなものが収集車内に巻き込まれているのを見た」と申告。収集車をチェックしたところ、中から男性の遺体を発見した。
この収集車が回収したゴミは、各階に設置されたダストシューターを使い、1階のゴミ集積場にすべてが集るようになっている。収集車はここに後付けしてゴミを積んでいくが、男性が誤って落ちていたことに気がつかず、回収作業を進めてしまったことが事故につながったようだ。
警察では病院関係者や清掃業者からさらに事情を聞き、どのような経緯で男性がダストシューター内に転落したのかを調べるとしている。