AT車に不慣れで重大事故…禁固刑

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昨年5月、岩手県西根町内の町道で老人福祉施設のワゴン車を運転中に操作を誤り、暴走させた末に60m転落、乗員6人を死傷させたとして業務上過失致死傷の罪に問われた62歳の男に対する判決公判が30日、盛岡地裁で開かれた。

裁判所は男に禁固2年6カ月の実刑判決を言い渡している。

問題の事故は昨年5月15日の午後1時10分ごろ発生している。西根町平笠付近の町道を走っていた老人福祉施設所有のワゴン車が左カーブを直進する形で道路から逸脱。そのままガードレールの隙間を直進し、クルマは上下が逆さになって約60m下の谷底まで落下した。

この事故でクルマを所有する老人ホームの入居者3人が頭を強く打って即死、女性職員1人が重傷を負った。運転していた62歳の男を含む3人は軽傷を負ったが、高齢者であることから救出が困難だったため、岩手県警のヘリコプターが出動。全員を吊り上げる形で救出している。

警察の調べに対し、運転していた男は「クルマのブレーキが突然効かなくなった。Nレンジに入れれば加速しなくなると思ったが、どんどん加速していった」と供述。

Nレンジに投入することでエンジンブレーキが効くと誤認したことが事故につながったと最終的に断定し、業務上過失致死傷容疑で送検。検察も同罪で起訴していた。

30日に行われた判決公判で、盛岡地裁の卯木誠裁判官は「被告はAT車の運転特性を理解しておらず、これが事故に結びついた」と指摘した。

また、事故を起こしたワゴン車はNレンジで下り坂を走行していたため、エンジンブレーキがまったく効いておらず、谷に向かって落下する直前には速度が100km/hを超え、完全な制御不能状態にあったという検察の指摘も認めた。

その上で「被告はAT車の運転に不慣れなことは自覚していたが、不慣れであるというのなら、もっと慎重に運転するべきだった。操作ミスが招いた結果は重大で、厳罰はやむをえない」として、被告に対して禁固2年6カ月の実刑を命じた。
《石田真一》

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