三菱ふそうトラック・バスのヴィルフリート・ポート社長は11日、大型車のリコール(車輪脱落)に関して国土交通省内で記者会見した。それによると、同社は、2002年1月に起きた事故の直後に行った社内調査で、同種の部品に設計上の問題があったことを把握していた。
同社は、事故直後の2002年3月から6月頃にかけて、500台近くのサンプリング調査を実施し、このうちの3割弱について、タイヤと車軸をつなぐハブの部分に、目視では確認できない程度のクラック(亀裂)が入っていたことがわかっていたという。
設計上の問題があった場合については、国土交通省にリコールを届け出る必要がある。なぜ、当時、同省への報告をしなかったという問いに対してポート社長は「当時の経営陣が、なぜこういう判断をしたかは、私にはわからない」とにごした。
事故は02年1月に横浜市瀬谷区で発生。走行中の大型トラックの前輪が脱落し、歩道を歩いていた母子3人を直撃、この母親を死亡させた。
同社は、事故当初、整備不良が原因との見解を示していたが、今回、これまでの主張を一転し「設計にも問題があった」として、11日にリコールを届け出た。同事故に関しては、神奈川県警がメーカーの安全対策に問題がなかったか、捜査を進めている。