福岡県は23日、古賀市内にある工場の跡地で何者かが不正軽油を密造し、原材料の灯油も含め、消防などに無許可で保管されていた疑いがあることを明らかにした。
密造された軽油は発見されていないが、原材料の灯油は115キロリットルがタンク内に保管されていたことを確認している。
これは福岡県・税務課が明らかにしたもの。問題の工場跡地は北九州市内にある建設会社が所有しているものだが、現在は工場としての稼動を取りやめている。
しかし、昨年3月ごろからこの跡地に大型タンクローリーが頻繁に出入りし、夜中も機械が作動しているような音がするとの情報が近隣住民によって寄せられた。
税務課では内偵捜査を実施。施設内にタンクローリーが頻繁に出入りしていることから、「不正軽油の製造プラントである疑いが濃い」と判断。今月19日に施設内への立ち入り調査を実施した。
この結果、密造された軽油は見つからなかったものの、原材料である灯油115キロリットルや、燃焼効率を高めるための添加剤もドラム缶で約30本、これらを混ぜる撹拌機が発見されている。
原材料の灯油からは識別剤として混入されているはずの化学物質(クマリン)がすでに抜かれた状態だったことも判明。これらの事実から税務課ではここが密造プラントと判断した。
しかし、施設には誰もおらず、立ち入り調査が行われることを察知して逃げた可能性が高いとみられている。