クルマ50台への落書き---嫌疑不十分で釈放扱いに

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交通事故の損害賠償請求に関わった弁護士を逆恨みし、この弁護士が住むマンションの駐車場に置かれていたクルマ50台のタイヤをバンクさせたり、スプレーで落書きしたとして脅迫容疑で逮捕されたいた29歳の男について、金沢地検が嫌疑不十分として処分保留で今月8日までに釈放していたことが明らかになった。

問題の事件は昨年10月13日深夜から14日未明に掛けて発生している。金沢市内のマンションで、敷地内の駐車場に置かれていた50台のクルマのタイヤがパンクさせられたり、車体にオレンジ色のスプレーで「XX、死ね」、「XX殺す」と、このマンションに住む実在の弁護士の名前を記したいたずら書きがなされているのを新聞配達員が発見。警察に届け出た。

いたずら書きで名指しされていた弁護士の事務所についても同月6日深夜から7日未明に掛けて襲撃され、室内に消火器を噴霧されるという被害を出していた。警察では弁護士個人をターゲットとした脅迫事件として捜査を開始。今年1月下旬に29歳の男を逮捕している。

逮捕された男は、被害に遭った弁護士が交通事故関連の損害賠償請求で相手方として交渉に当たっていた人物で、補償を迫る弁護士に逆恨み。いたずら書きを始めとした嫌がらせ目的で事件を起こしたと自供した。

警察は脅迫容疑で送検したが、男は地検の取り調べの際には犯行の具体的方法などについては一切語らず、男が犯行に関与したことを示す物証なども見つかっていないことから、金沢地検では「現時点での公判維持は難しい」と判断。脅迫容疑については嫌疑不十分で処分保留の扱いとしている。

男の身柄は書面上では釈放されたことになるのだが、別の傷害事件で起訴されていることや、弁護士とは無関係の住民が使用していたクルマを傷つけたことに対する器物損壊容疑の捜査が続けられていることから、今も拘留状態は解かれていないという。

《石田真一》

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