道路と線路、シームレス---JR北海道が新型車開発

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JR北海道は28日、道路から線路への乗り入れを可能とする特殊な構造の車輪を備えた『デュアル・モード・ビークル』(DMV)の試験車を完成させ、その試運転の模様を公開した。

保線作業用に同様のコンセプトを採用した軌陸車というものはこれまでにも存在しているが、旅客輸送用として実現化された場合には世界初となる。

これはJR北海道が研究・開発を進めてきたもので、ベース車両となったのは通常のマイクロバス。

「モードインターチェンジ」という左右にガイドレールを備えた場所を介して道路から線路内に進入するようになっている。線路内に入ると車体前部から鉄道用の車輪が下がってきて前輪をリフトアップする。

後輪についても同様だが、後ろの車輪は一部が後輪タイヤと接するようになっており、後輪タイヤが駆動することによってそれを鉄道用の車輪に伝達する仕組みだ。

これまでにもトラックに同様のシステムを備えた軌陸車というものが存在するものの、線路に進入するためには踏切などで停止してジャッキアップし、線路の位置を見極めた上で車輪を出し、レールに乗せる必要があった。

しかし、DMVではモードインターチェンジと、正しい場所に車輪を導くガイドローラーの働きによって、15秒程度のわずかな時間で線路に入っていくことができる。このシームレスな乗り入れを実現させたことで、実用化までの道のりがだいぶ短くなったという。

JR北海道がこうしたクルマの開発に着手したのは、乗客減少が目立つローカル線などで必要な運行本数を低コストで維持する必要があるからだ。鉄道用のディーゼル車両の運行コストは非常に高く、乗客が少ない路線では燃料代に満たない運賃収入しか得られないことも珍しくない。

しかし、DMVであれば運行コストはクルマとほとんど変わらず、鉄道が設置されていない場所にもクルマ(路線バス)としてそのまま乗り入れることができるというメリットがある。ローカル線のお得意様といえば運転免許を持たない高校生だが、DMVがあればドアtoドアで通学させることも夢ではなくなる。

今回開発された試験車両は25人乗りで、線路内での最高速度も60km/hだが、同社では小型鉄道車両並みの着座定員40人、同70km/hを目指すとしている。法的な位置付けが微妙ではあるが、旅客用として実用化された場合には世界初となり、赤字解消の手助けともなるだけに、JR北海道がDMVに抱く期待は非常に大きいようだ。
《石田真一》

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