日産『マーチ』を6輪にするという大胆なカスタムを提案したバリュープログレス。『アリゲーター』は単なる思いつきや目立ちたがりではなく、メカニックの心意気を示すショーケースだった。
既報の通り、アリゲーターはマーチのフレームのほうには手を加えることなく、ボルトオンフレームを追加してフロント部を延長している。これは車検の通過を見越した処置だったのだ。
「バリュープログレスの母体は民間車検場(白岩モーター商会)なんです。ですから法規は熟知しているつもりですし、違法改造なんて絶対にしたくありません」と説明するのはバリュープログレス広報担当の白岩巧さん。
アリゲーターも「タイヤの舵角など細かい点まできっちり計算してありますし、必ずナンバーを取得してみせます」と語っている。
アリゲーターのデザインは、昨年度オートサロンのカスタムカーコンテストでコンパクトカー部門最優秀賞を受賞した「トイボックス」をベースにしている。「トイボックスを産まれたばかりの子供に見立て、それが成長したらどうなるかをイメージしたのがアリゲーターです」と白岩さん。
オーダーがあれば販売も検討し、価格は400万円前後になるのではないかと見通しを語っている。これからも「カスタマイズの本質とはなんなのかを追求してゆきたい」と、メカニズムを熟知した会社らしい気骨ある言葉で締めくくってくれた。