【新聞ウォッチ】石原・日産元社長の訃報で明けた2004年の自動車業界

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

★2004年新春スペシャル版★★★

明けましておめでとうございます。オリンピックイヤーの2004年が幕を開けた。昨年は出口の見えないデフレ不況のなかで新年を迎えたが、今年は多くの企業が「景気回復に手応えを感じている」(各紙のアンケート調査)としており、緩やかながら日本経済が立ち直り始めたとの見方が強まっている。

さて、この「新聞ウオッチ」も年末の26日から数えると10連休となったが、この間、どのようなニュースが紙面を飾ったのか、自動車関連の記事を中心にウオッチしてみよう。

まず、イラク派遣問題とは別に年末にかけて紙面をにぎわせたのが、米国で見つかったBSE(牛海綿状脳症)感染牛問題と、26日に発生した4万人以上の犠牲者を出したイラン南東部の大地震。いずれも海外での出来事だが、BSE感染牛問題では、このまま米国産牛肉の輸入禁止が続けば吉野家などはメインの牛丼販売を中止せざるを得ない窮地に立たされている。

自動車ユーザーにとって気がかりなのが、毎日などが27日朝刊1面で報じていた道路交通法改正案の骨子。運転中の携帯を全面禁止したり、違法駐車には、ドライバーばかりでなく、所有者にも違反金を課すなどの厳しい内容だ。

だだ、昨年の交通事故死が46年ぶりに8000人を下回ったことが、警察庁の調査で2日明らかになったが、これは飲酒運転厳罰化の効果の表れとの見方が強い(各紙3日付朝刊社会面)。

ところで、恒例の元旦に配達される各紙は、広告面の多い別刷りを含めボリュームたっぷりだが、総ページ数では今年も116ページ(昨年も同様)の日経がダントツ。次いで読売が108ページ(昨年100ページ)、昨年と同じ朝日が100ページ、産経92ページ、毎日88ページなどと続いている。

元旦の1面トップ記事は「自衛隊、警告せず射撃も」(東京)「岡本被告、米に引き渡しへ・遺伝子スパイ事件」(読売)など、各紙ともバラバラだが、自動車関係者などに衝撃を与えたのが日経の1面下の「日産元社長の石原俊氏死去、91歳」の訃報記事。

2日が休刊日のため日経以外の各紙は3日付で掲載したが「自動車国際化の先頭、サニー世界ブランドに」(朝日)、「仕事の8割は組合との問題に費やした」(産経)など、石原氏の軌跡を取り上げている。

このほか、日経が3日付の1面トップで「マツダ、中国で合弁生産、フォードと上海に工場、2007年、小型車20万台」と報じており、今年も中国熱は冷めやらないことを物語っている。

また、新年恒例の「2004年トップ人事を占う」では、自動車メーカーでは「トヨタ続投強まる」という予測を日経(3日付)が取り上げていたが、一連の不祥事などでトップ交代は流動的だろう。

トップ交代で気になるのは三菱自動車。経営不振からロルフ・エクロート社長に対する経営責任が問われているからだが、昨年秋に急逝した園部孝会長の後任人事も注目の的。目下、三菱商事などから迎え入れる公算が強い。

一方、経営者の景気判断だが、今年の株価をトヨタの張冨士夫社長が3日付の読売では(希望を込めて)高値を1万1000〜2000円としているものの、日経では高値1万3000円(6月)、安値を9500円(2月)とより具体的に答えている。もっとも、為替については「予測困難」としているのは自称 “生産屋” の張社長らしい読み方だ。ちなみに、スズキの鈴木修会長は110〜115円と回答している。

為替の変動、国内の新車販売などに不透明感はあるが、経営者の見通しなどから景気は回復基調にあることは確実のようだ。

《福田俊之》

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