福岡県警は9日、今年11月に北九州市小倉北区で発生した大型トレーラーの死亡横転事故に関連し、事故を起こしたトレーラーを所有する運送会社を道路法違反(無許可通行)容疑で家宅捜索を実施したことを明らかにした。
事故を起こしたトレーラーが最大積載量を10トンも超える貨物を搭載していたことから、押収した書類などを精査し、今後は道路交通法違反(過積載運行)容疑でも調べを進める方針だ。
問題の事故は今年11月4日の未明に発生している。同日の午前4時30分ごろ、北九州市小倉北区香春口1丁目付近の県道交差点で、26歳の男性が運転する大型トレーラーが左折直後にバランスを崩して横転。
そのまま道路の中央分離帯に設置された標識の鉄柱に激突した。鉄柱はトレーラーの運転席付近を直撃し、運転していた男性が脳挫傷などで即死している。
このトレーラーには最大積載量を10トンも上回る45トンの積載物(クレーン用の錘)があり、トレーラーが左折しようとした際、荷台部分で錘が移動し、これが原因でバランスを崩したらしい。
また、後の調べでこのトレーラーが道路管理者に無許可で運行されていたことも発覚している。通常、総重量が20トンを超える貨物輸送については、事前に道路管理者に対して通行許可を求めることが道路法で定められているが、トレーラーを所有している会社はこれを怠っていた。
事故を起こしたトレーラーの総重量は65トンを超えており、走行ルートに関しても事前の届け出が必要だった。
福岡県警では容疑が明確な道路法での捜索を実施したが、この会社が恒常的に過積載輸送を行っていたものとみて、押収した書類を分析した後、道交法違反容疑で継続した操作を実施していくとしている。