免許更新、盗んだクルマで警察署に向う……御用

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大阪府警は9日、免許証の更新手続きを行う知人女性を乗せ、盗難車で警察署へ訪れた21歳の男を窃盗容疑で逮捕した。

このクルマにはGPS連動の盗難防止装置が取り付けられており、警備会社のオペレーターが警察署に入ったことを通報し、逮捕に至ったという。

大阪府警・住之江署の調べによると、今月5日の午後3時30分ごろ、警備会社から警察に対して「今月2日に守口市内で盗まれたクルマが大阪市住之江区付近を走っているという信号をキャッチした」との通報が寄せられた。

警備会社のオペレーターはクルマに取り付けられた発信機から送信されてくるGPS情報を元にモニター上で追跡。このクルマが最終的に住之江署に向かい、そこで電波の発信が止まったことも確認した。

警備会社のオペレーターは「住之江署付近で停車中だが、盗難車両を警察で発見し、押収したということか?」と質問したが、警察側では「押収の報告なし」と回答した。

しかし、住之江署からクルマが移動しないことからオペレーターは確認を要請。府警本部から連絡を受けた住之江署員が駐車場を捜索すると、来客用スペースに盗難車が止まっていることを確認した。

署員は半信半疑のまま、盗難車の近くで張り込みを続けたが、免許証の更新に訪れていた若い男女がクルマに乗り込んでエンジンを掛けたことを確認。直後にパトカーで進路を塞ぎ、運転していた21歳の男を確保している。

男は警察が任意で行った事情聴取に対して「クルマは知人から預かった。盗難車だったとは知らなかった」と供述。「盗難車だと知っていたら警察に乗りつけるわけがない」と言い逃れをした。

しかし、「クルマを誰から借りたのか」という質問には黙秘を行い、問題のクルマが盗難された2日未明の行動についても不審な点があることから、窃盗容疑に加担したと判断。9日までに窃盗容疑で逮捕した。

問題のクルマが盗難された販売店では、同時に高級車5台も盗まれていることもあり、警察では逮捕した男を厳しく追及し、クルマの入手ルートや共犯がいなかったどうかも調べる方針だ。

今回の事件について、大阪府警では「住之江署で盗難車が停止しているという報告には驚いた。そしてそのクルマが本当に駐車場にあったことにはさらに驚いた」とコメントしている。

《石田真一》

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