日産ディーゼル工業は、臨時株主総会後の取締役会で、総額1060億円の第三者割当増資を実施すると発表した。日産自動車と銀行団に1060億円の優先株を発行するとともに、ルノーから無償譲渡された自社株の消却を決議した。
今秋にまとまった日産ディーゼルの財務体質改善のための再建策の一環で、正式に決定した。これで、日産とルノーが共同筆頭株主だった日産ディーゼルは、日産が単独の筆頭株主となった。
日産ディーゼルはルノーかたら発行済み株式総数の約5.6%に当たる1455万株を無償で譲渡を受け、これを消却した。ルノーの持ち株比率は17.8%に下がった。
日産と銀行団は日産ディーゼルの債務を優先株に株式化し、日産の出資比率は23.8%に上がる。日産ディーゼルが実施する第三者割当増資で、銀行団が約900億円、日産が約160億円を引き受ける。払い込み期日は12月15日。払込完了で、一旦は債務超過となった日産ディーゼルの財務体質は大幅に改善する。