ボーッと小学生をひき殺した高齢者に禁固3年

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2002年9月、神奈川県横浜市金沢区内で下校途中の小学生の列に乗用車が突っ込み、5人を死傷させたことで業務上過失致死傷の罪に問われた76歳の男に対する判決公判が29日、横浜地裁で開かれた。裁判所は男に禁固3年の実刑を言い渡している。

この事故は2002年の9月13日に発生している。同日の午後2時20分ごろ、横浜市金沢区富岡西の市道を歩いていた小学生の列に、歩道に車体半分ほどを乗り上げた状態のままで進行してきた乗用車が後方から突っ込んだ。この事故で最後方を歩いていた当時7歳の男児がボンネットに後頭部を強打して死亡、別の男児2人と女児2人も軽傷を負った。

このクルマを運転していたのは当時75歳の男性で、歩道に乗り上げた状態で20mあまりを進行していた。しかも事故を起こすまで全くそれに気がついておらず、事故を起こしたと認識したのは児童をはね、さらに数メートル進んでからだったという。男は「ボーッとしたまま走っていたら歩道に乗り上げ、気がついたら(児童に)ぶつかっていた」と供述してきた。

29日の判決公判で、横浜地裁の衣笠和彦裁判官は「事故は高齢による反応能力などの低下が影響していると考えられる」と判断したが、事故の形態が悪質であり、1人が死亡するという結果も重大であったことから情状を酌量して猶予刑にする措置を取らず、男に対して禁固3年の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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