三菱自動車会長だった園部孝氏が28日、急性心不全で、都内の病院で死去した。通夜・葬儀は密葬で行うため、未公表で、社葬については検討中としている。
園部会長は、三菱のリコール事件で引責辞任した当時の河添克彦社長の後任として、急きょ抜てきされた。リコール事件で業績が悪化し、ダイムラークライスラーの増資を受け入れた三菱の先頭にたって信頼回復に務めてきた。その後、再建計画通り、3年ぶりに黒字転換したのを機に、社長ポストをダイムラーのロルフ・エクロートに譲り、自ら会長に退いた。
園部氏の急死で、三菱の経営陣に生え抜きはゼロとなり、今後一層ダイムラー色が強まる見込みだ。三菱は業績悪化に加え、トラック脱輪事故による家宅捜査を受けたり、部品の火災に見舞われて、ただでさえ士気が下がっている。今回生え抜きの社員の精神的な支柱だった園部氏の急死で、社内は大きく動揺しそうだ。