今年6月、暴走族から脱退しようとした15歳の少年が仲間9人から暴行を受けて死亡した事件で、この事件の少年審判を担当した水戸家裁下妻支部の裁判官が「暴走族は産業廃棄物以下」と発言していたことが明らかになった。
水戸家裁は「少年審判は非公開であり、発言が事実かどうかを含めてコメントできない」と説明している。
問題の事件は今年6月、茨城県三和町で発生している。暴走族を脱退したいと表明した15歳の少年が、仲間9人から壮絶な暴行を数時間に渡って受け、約10時間30分後に収容先の病院で死亡したというもの。
犯行に関わった9人のうち、実行役の3人が傷害致死容疑で最初に逮捕され、水戸家裁下妻支部において傷害致死罪で少年審判を受けることになった。その後、3人は検察に逆送致される決定が下り、地裁での公判がスタートしたが、27日に水戸地裁で開かれた公判の証人尋問で、被告となった少年の父親が「家裁の裁判官から暴言を吐かれた」と証言したことから今回のトラブルが明らかになった。
暴言の内容とは「暴走族をやっていた君たちはリサイクルのできない産業廃棄物以下だ」というもので、3人のうち2人が同様の発言をされたとしている。この発言に被告の親が激怒し、地裁で行われた公判での証言となったが、家裁側は少年審判が非公開であることから、実際にこのような発言が行われたかどうかということを含め、公開することはできないとしている。
被告の親は「こうした発言を裁判官からされるとは思っておらず、更正は無理だ、と突き放されたような気分になった」とも証言している。ただこの件では加害者側が被害者側および検察側と対立しており、問題の多い事案となっている。