欧州司法裁判所は、18日、独フォルクスワーゲンに対して、EU競争法違反として、9000万ユーロ(117億円)の罰金を支払うよう命じた。EUにおいて、単独の企業に対する罰金としては、過去最大の金額となる。
競争法違反と認定されたのは、同社が、1990年代に、ドイツやオーストリアよりも自動車の販売価格が安いイタリアのディーラーに対して、イタリア以外の国民に同社の車を販売しないように圧力をかけたこと。
1998年に欧州競争委員会によって1億0200万ユーロの罰金を課されたが、これを不服として欧州裁判所に訴えをおこした。2000年の初審では、罰金が9000万ユーロに減額されたものの、フォルクスワーゲン側の訴えは退けられた。これを不服として、同社は上告していたが、一審が支持される判決となった。
欧州競争委員会では、今年10月より、自動車メーカーによるディーラーや修理工場への影響力を段階的に弱める政策をとっており、今回の判決は、同委員会の方針を間接的に支持したものと言える。