岸壁からの転落事故は保険金目的の殺人

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秋田県警は1日、昨年10月に秋田県金浦町の金浦魚港で乗用車が転落し、2人が死亡した事故について、保険金を目的とした殺人事件の可能性が強まったとして、クルマを運転していた65歳の男を殺人容疑で逮捕した。

クルマには男の妻と義母が乗っており、男には2人の死亡によって数千万円の保険金が入る予定だった。

秋田県警・捜査一課、同・象潟署によると、今回逮捕されたのは神岡町に住む65歳の男。警察の調べによると、この男は昨年10月13日の午後、金浦町にある金浦魚港付近の岸壁を走行中に海中へ転落する事故を起こし、同乗していた59歳の妻と84歳の義母を溺死させた。

当初、この男は警察の調べに対して、「ドライブ中に眠気を感じたので一旦休憩し、クルマを再発進させようとしたところ、岸壁突端にある係船柱に接触した。驚いて急ハンドルを切ったら海に落ちた」と供述していた。

だが、その後の調べで男が人に総額数千万円の保険金を掛けていたという疑いが浮上。また、男には消費者金融から数百万円の借金があることが後の調べで判明した。

さらに消費者金融の担当者に対して事故後「借りていたことを内緒にしてくれ、誰にも言わないように」と念を押すなど不可解な点も明らかになった。

このため再度の聴取を行ったところ、当初はこれまでどおり偶発的な事故であることを主張していたが、生命保険加入の事実などを提示した上でさらに追及すると、「面倒になったので殺害を決意した」と証言を一変。転落事故を故意に起こしたことや、殺意や保険金目的の犯行についても大筋で認めたため、1日の未明に殺人容疑で逮捕した。

《石田真一》

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