応援部隊なのか、通常ローテーションなのか…JRバス飲酒運転

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国土交通省・関東運輸局は21日、東名高速で路線高速バスを飲酒運転してことで現行犯逮捕された32歳の運転手が所属するジェイアールバス関東・宇都宮支店への特別監査を実施したが、同局が最も注目していると言われているのが運転手の勤務実態だ。

運転手が逮捕された直後から、ジェイアールバス関東の本社では「逮捕された運転手はお盆休み(繁忙期)混雑の応援部隊として東京支店に来ていた。17日は午前中に宇都宮を出発して新宿に向かう便を担当した後に東京支店へ入って一旦休憩。その後に東京〜松伏(埼玉)便を担当し、再び東京支店に戻り、宿舎で休憩に入った」と説明していた。飲酒運転は翌18日。

だが、関東運輸局にはこれとは異なる情報が寄せられたようだ。実は問題の運転手が乗務していた「東海道昼特急1号」は普段から宇都宮支店の運転手が担当しており、今回の乗務は同社が言うところの「応援」には当たらないという。

宇都宮支店に所属する運転手のうち、路線高速バスに乗務できる資格を持つ運転手の通常シフトは5日間の連続勤務となっており、終了後に公休となる。運転手の大半はこのローテーションで動いており、「繁忙期とはいえ、通常のシフトを外れるとは考えにくい」という指摘が寄せられたようだ。

このローテーションの中には今回運転手が乗務していた路線の全てが入っており、そのローテーションに沿った形であれば、東京〜松伏間の往復は3日目のラスト、東海道昼特急1号での東京〜三ケ日間の乗務は4日目の最初にあたる。

問題の運転手を「応援部隊」と位置付けたジェイアールバス関東・本社の見解では東京〜松伏間の往復以前に宇都宮〜新宿間の乗務が入っているのみだ。

しかし通常のシフトと照らし合わせた場合には、松伏往復以前に「宇都宮〜新宿〜東京支店〜東京〜高知〜東京〜東京支店」という行路に乗務する必要がある。実際にはこれを3日間で行ない、適切な休憩時間もあるのだが、楽な勤務ではない。

問題の運転手がいつ、どの段階で同支店を出発したのかを調べれば、本当に応援部隊だったのか、それとも会社が過酷な勤務実態を隠蔽する目的で虚偽の事実を公表したのかが明らかになるはずだ。

《石田真一》

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