今回の『トゥアレグ』発表によってそのブランドの幅を広げたVW。2000年末から広告や店舗などの「ブランド変革」を行ってきた成果がこのクルマを生み出したようだ。「フルラインプレイヤー」を目指すVWの野望はまだ終わらない。
VWグループジャパン代表取締役社長の梅野勉氏は語る。「今までのVWは『ゴルフ』『ビートル』に代表される小型車のイメージが強かった。我々が考えるブランド変革はいろいろなコミュニケーションを通じてメッセージを伝え、それをブランドバリューに転換することです。小型車を大事にしながらブランドの幅やポジショニングを広げていくこと。それがVWの目標です」
発表会は明治神宮外苑の聖徳記念絵画館で行われた。車名の由来になったアフリカのサハラに生きる「トゥアレグ」族をイメージした盛大な演出がなされた。住居を模したテントが張られ、ライトアップやバンド演奏、そしてレストラン「KIHACHI」の熊谷喜八シェフによるトゥアレグとのコラボレーションともいえる、サハラを意識したエスニックな料理がもてなされた。VWのブランドに対する思い入れがうかがえる素晴らしい「パーティ」だった。
最後に梅野社長は「ロジックだけではデザインはできません。やっぱりクルマはエモーションです」と力強く語ってくれた。