制止した人間を殺した車上荒らし、実は親族グループ

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2001年12月、兵庫県姫路市内のファミリーレストラン駐車場で、車上荒らし犯の逃走を制止しようとした当時26歳の男性が、犯人グループの乗ったクルマにはねられて死亡したという事件で、兵庫県警は29日、事件に関わった男女5人を強盗殺人や証拠隠滅の容疑で逮捕したことを明らかにした。グループのうち4人は親族だという。

この事件は2001年12月14日の午前2時40分ごろに発生している。姫路市内のファミリーレストラン駐車場で、知人女性のクルマからバッグを盗もうとしている男を26歳の男性が発見。男が自分の乗ってきたクルマに飛び乗ったため、男性は駐車場の出口付近で腕を広げて逃走を制止しようとしたが、クルマはこの男性を跳ね飛ばしてそのまま逃走した。男性は病院に運ばれたが、収容先の病院で2時間後に死亡している

警察では被害者の体に残っていた塗膜片やタイヤ痕から車種を特定。兵庫県内にある同型車約1000台について総当りで調べを進めていった。この結果、「所有者が知人に貸したまま戻ってこないというクルマがある」という事実が浮上。所在がわからなくなっているという同型車がこの1台しかないことも判明した。

警察では慎重に捜査を進めていたが、問題のクルマを借り受けた男と、この男の従姉妹2人が車上荒らしに関与したものと断定。クルマは別の男に依頼して処分させた疑いが濃くなったとして、29日までに31歳の男を強盗殺人で、2人の女を車上荒らしの実行犯として窃盗容疑でそれぞれ逮捕した。また、この女の父親であり、主犯格の叔父でもある59歳の男と、実際の処分を行った72歳の男も証拠隠滅の容疑で逮捕している。

警察の取り調べに対し、証拠隠滅に関わった2人は「人をはねたクルマだから処分して欲しいと言われた」などと容疑を全面的に認めているが、主犯格の男と女2人は「身に覚えが無い」と犯行を全面的に否認している。

《石田真一》

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