盗まれたクルマを挟み撃ち---犯人は「襲われるかと思った」

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神奈川県警は14日、路上に一時的に置かれていたクルマを持ち逃げしたとして、30歳の男を13日夜に窃盗容疑で逮捕していたことを明らかにした。クルマを盗まれた会社の従業員がたまたまクルマを見つけ、別の社員と携帯電話で連絡を取り合いながら連携プレーで追い詰めたという。

神奈川県警・厚木署の調べによると、問題の車両盗難事件が起きたのは13日の午後3時ごろだったようだ。厚木市中町付近にあるビルで清掃作業を行っていたビルメンテナンス会社の社員が、清掃作業に使った機材を積み込むため軽ワゴン車をビルの前に横付けたところ、わずかな隙をついて何者かにこのクルマを乗り逃げされた。

この会社の社長は警察に通報するとともに、厚木市周辺の別現場で作業する全社員に対しても「ウチのクルマが盗まれた。移動中に見かけたら警察に連絡を取ってくれ」と、メールや電話で連絡を行い、盗難の事実を伝えた。

同日の午後8時ごろ、仕事を終えた同社の男性社員が帰宅中、平塚市内の国道129号線で盗難されたクルマが走っているところを偶然発見。Uターンしてこのクルマを追跡するとともに、盗難された軽ワゴン車が走るであろう進路を予測して会社に連絡した。

クルマはそのまま厚木市内に入ったが、途中から合流した社長のクルマと社員のクルマで容疑車両を挟み撃ちにする形で強制停止させ、乗っていた男を駆けつけた厚木署員に引き渡したという。クルマを運転していたのは30歳の男で、窃盗容疑で緊急逮捕されている。

警察の調べに対し、この男は「カギが付いたクルマが止まっていたので盗んだ。ムシャクシャしていたし、ドライブしようと思った」などと供述している。追跡されていたことには全く気づいていなかったらしく、クルマを強制的に止められた際のことを問われると「襲われるかと思った」などと捜査員に話したらしい。

追いかけられているという意識も無ければ、自分がクルマを盗んだ犯人という意識も全く無かったようだ。

《石田真一》

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