罰則が強化されても、県民性を根底から変えなくては飲酒事故は減らない?

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高知県警は4日、飲酒運転の罰則が強化された改正道路交通法の施行から1年が経過したことを受け、昨年6月1日から今年5月31日までの酒気帯び運転者の検挙状況を発表した。酒気帯び運転として認定される基準値が低くなったことから、前年同期(正確には2001年6月1日から2002年5月31日までの期間)と比べ、検挙者は27人増加しているという。

飲酒運転の罰則を強化した改正道路交通法は昨年6月1日に施行されている。施行直後は一時的に新基準での検挙者数が増したものの、全国的にみれば飲酒運転での検挙者数は徐々に減りつつあるという。20万円を超える高額な罰金、点数の見直しによって容易に免許停止や取り消しが命じられるようになったこともあり、これが直接の抑止効果になっているようだ。

この傾向は高知県でも確認されており、改正道交法が施行された昨年6月1日から今年5月31日までに酒気帯び運転で検挙されたドライバーの数は1779人となり、前年より27人増えた。検挙者数を引き上げたのは、酒気帯び運転の新基準となった「呼気1リットルあたり0.15ミリグラム以上のアルコール濃度」に引っかかったためで、このうち808人は新基準による検挙者だった。

改正される以前の「0.25ミリグラム以上のアルコール濃度」ということでみれば971人がこれに該当しているが、この数値は前年同期の半分以下となり、一定の抑止力を出していることは確認された。

酒気帯び運転を起因とした事故の数も前年より61件減った83件となり、負傷者数も96人となった。前年が185人だったことを考えれば「ほぼ半減した」と言えるだろう。

だが、死者数で見た場合には前年とほぼ同じ15件(前年は14件)となり、うち9件は電柱などに衝突するという、いわゆる自爆事故だった。この9件はいずれも単純な運転ミスによって発生しており、飲酒さえしていなければ事故を防げた可能性が高かった。

高知県警では「新基準での検挙者が増えたのは、ちょっとぐらいなら飲んでも大丈夫という風潮が県内に根強く残っている現れ。死亡事故が全く減らなかったのは飲酒運転を軽視する人間には厳罰化という言葉すら届かなかったということだ」と手厳しい見方をしている。

高知は昔から飲酒に寛容な土地柄で、「酒をしょうしょう飲む」と言えば「少々」ではなく「升升」、つまりは「2升飲みます」と受け取られてしまう街でもある。高知県では県職員に対して、飲酒運転で検挙された場合には原則として懲戒解雇とする厳しい措置を取っているが、それが抑止力になっていないとの指摘もある。

また、危険運転罪制定のきっかけにもなった1999年11月に東京都内の東名高速道路で起きた大型トラックの追突事故も高知県内の運送会社に勤務するドライバーが引き起こしている。さらにこの運送会社の役員が酒気帯び運転で事故を起こしたことが発覚し、高知県園芸連が80年に及ぶ取引を解消したというのも記憶に新しい。
《石田真一》

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