警視庁は15日、国税庁が公表する高額納税者リスト(いわゆる長者番付)を元に、空き巣を繰り返していた37歳の男を窃盗容疑で逮捕した。雑誌の特集記事などから得た住所をカーナビに登録、電話で不在を確認した後に実際の犯行に及んでいたという。また、高額所得者の家の横に駐車していても違和感のない、外国製高級車を犯行の足としていた。
警視庁・捜査三課の調べによると、この男は国税局が所得税法によって公表を義務付けられている高額納税者リストを悪用。その結果を紹介する雑誌の記事などから住所などの個人情報を把握。電話帳を使って電話番号を調べ、不在を確認した後に住居へ侵入、貴金属類や現金を持ち去っていた。
驚くことにこの男は「金持ちの家の横に古い国産車を置くと目立つ。外国製の高級車なら周囲の人も来客と思うだろう」という考えから、中古のジャガーを購入。犯行の際には高級ブランドの服を着用するなど身だしなみにも気を使っていたという。また、このクルマのカーナビには高額所得者の住所を登録してあり、逃げる際にも経路誘導を多用していたとみられる。
自供している余罪は判明しているだけで150件。関東圏が中心だが、事件発覚を嫌って警察に届け出を行っていないというケースも考えられることから、警察では男の供述を元に照合作業と被害確認を急ぐ方針。