県のイメージ悪化…飲酒運転で80年間の契約を失った運送会社

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高知県園芸連は14日、これまで高知県産の園芸品を中心的に輸送してきた運送会社に対し、契約の解消を通知したことを明らかにした。

この会社は1999年に東京都世田谷区内の東名高速道で発生し、後に危険運転罪制定のきっかけとなった飲酒死亡事故の加害者が勤務(事故後に退職)していたところ。今年4月には役員が飲酒運転で事故を起こすなど、県内では「飲酒運転に甘すぎる会社」という評判が立ち、これによるイメージ低下を恐れた荷主側が強行手段に訴えた形だ。

園芸連によると、この会社は主に東日本へ高知県産の園芸品(生花など)を輸送していた。その歴史は80年近くに及び、これまでの信頼関係は強固なものだった。ところが1999年11月、東京都内の東名高速道で泥酔したドライバーが渋滞中の車列に追突。追突されたクルマから漏れたガソリンに引火し、逃げ遅れた幼女2人が死亡するという事故が起きた。

トラックの運転手は酒を飲みながら運転を続けるなど、その行為は悪質の一言に尽きたが、当時の日本ではこうした事故に業務上過失致死罪を適用するしかなく、この運転手は懲役5年という刑罰に留まった。後に「刑罰が軽すぎる」という理由から、新たな刑罰を作ろうという機運が高まり、危険運転罪を制定する直接のきっかけにもなった。

ニュース番組でトラックの車体に描かれた園芸連のマークが大写しされるなど、高知県産の園芸連に悪いイメージを与えるとして、この段階で同社との契約を解消するという意見もあったが、会社が再発防止を誓ったため契約は続行されていた。しかし、今年4月に同社の役員が高知市内で飲酒運転を原因とする追突事故を起こしていたことが判明した。

社員ではなく、役員が飲酒運転をしていたという事態を受け、園芸連では今後の契約をどのようにするか検討していたが、今年8月末の年間契約切れを待たず、代替輸送手段の確保ができる今月末をめどに契約を解消する決定を行った。

園芸連がこの会社に払っていた輸送料は年間で約20億円といわれている。この契約を失うことで生じるダメージが相当大きいことは間違いなく、運送会社は2人の飲酒常習者のために会社の存続さえも危ぶまれる事態に陥りそうだ。
《石田真一》

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