警視庁は18日、関東の1都3県の交番に侵入し、ロッカーに保管されていた制服類を盗んだとして20歳の男を窃盗と建造物侵入の疑いで逮捕したことを明らかにした。警察の取り調べに対しては一連の事件全てへの関与をほのめかす供述をしているという。
警視庁・捜査3課の調べによると、一連の交番侵入事件が最初に発生、発覚したのは今年2月22日だった。同日の午前1時35分ごろ、パトロールから戻ってきた蒲田署・穴守稲荷駅前交番(大田区羽田)の警察官が室内が物色されていることに気づき、周囲を調べたところ建物裏側の窓ガラスが破壊されていることを発見。ロッカーなどに保管されていた装備品(反則キップを入れるポーチ、雨具、懐中電灯)が盗まれていることがわかった。
その後も全く別地域の交番で被害が相次ぎ、これまでに東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県で21件の被害が報告されている。盗まれた物の中には防弾チョッキや、車両ナンバー照会用の携帯端末(PDA)などの比較的高価なもの。また、神奈川では防寒着から階級章のみが剥ぎ取られて盗まれる被害も出ており、極めて早い段階から警察マニアの犯行ではないかと言われてきた。
警視庁では都内周辺にあるマニア向けの店舗を捜索した結果、江戸川区内の店で盗まれた装備品を発見。これを持ち込んだ男の自宅などを捜索した結果、神奈川県警の制服1点があることも発見。犯行に関わった疑いが濃厚になったとして逮捕した。
警察の取り調べに対し、男は「何件かは覚えていないが一連の犯行には全て関わったと思う」などと供述しているという。