政府主催の「企業改革タウンミーティング」が16日、東京都世田谷区の昭和女子大で開かれ、昨年10月に企業改革経営者として首相表彰を受けたトヨタ自動車の奥田碩会長、日産自動車のカルロス・ゴーン社長らが出席した。
国民との対話コーナーでは女子学生から「首相になったら経営での改革をどう生かすか」との質問があり、奥田会長は「全閣僚から辞表を預かり、首相の指示に反対する閣僚には辞めてもらう」と述べ、満場の拍手を受けた。
奥田会長は、政府の規制改革特別区が役所や閣僚の反対で骨抜きになったことを例に挙げ、「企業では取締役会で決めたことを実行するのは当たり前。それができない役員は即刻クビになる」と強調した。タウンミーティング後の記者会見でも、閣僚は「指名された以上、(任を全うできない場合は)ハラを切るとか激しい決意が必要」とも述べた。
返す刀で奥田会長は「マスコミにもお願いがある。新聞記事などでは最後に必ずと言っていいほど『but』が出てくる。いいことはいい、悪いことは悪いと徹底した報道で世論を引っ張ってほしい」と、論調が不明瞭になりがちなメディアにも注文をつけた。
旬の経営者が出席するとあって、会場はこのミーティングでは異例の満席となり、1400人余りで埋め尽くされた。