愛知県警は24日、聴覚障害者が携帯電話のインターネットブラウザを用いて迅速に110番通報を可能とするシステムの開発を進めると発表した。2003年度予算に開発のために必要な費用を計上し、来年春からの運用を目指すとしている。
愛知県警が導入を検討しているのは、携帯電話のメール機能ではなく、インターネットブラウザ機能を利用したもの。専用のサイトにアクセスし、フォームに発生場所や通報の内容などを書き込んでいくという。メール機能を使っての通報はシステムは単純で済むが、その反面で確立されたフォーマットがなく、パニックの状況で打たれたメールを解読するのに時間がかかるなどの難点があった。ブラウザを使った専用フォーム形式は導入費用がかかるが、質問形式で記入することが可能となり、センター側で受信する際にもある程度の確立されたフォーマットで出力できるので、迅速に対応できる。
NTTドコモ、au(KDDI)、Jフォンなど全キャリアに対応し、インターネット閲覧機能を備えたものであれば機種に左右されることなく使えることを目指す。開発費用としては2003年度予算に約4000万円を計上。サーバーを含めたシステムの構築、通信指令室(110番受付センター)への即時リアクションシステム構築などを進めていく。実用開始は来年4月を予定しており、この間は先に導入された各県警本部のシステムなどを参考にしながら「最も使いやすい通報システムとは何か」を考えていくとしている。