5日、東京都江戸川区のデザイン専門学校TCA(東京コミュニケーションアート)において、日産自動車の中村史郎デザイン本部長兼常務取締役が特別講義を行なった。講義は学生の質問に中村本部長が答える形で進行した。
学生:アイデアを立体化するモデラーにとって大切なことは何ですか。
中村:日本人モデラーはひじから先だけしか動かさずにちまちまクレイモデル(粘土模型)を削るんですね。外国人モデラーは腰を入れて、全身を使って、バサッと削るんですよ。
善し悪しで、日本人のモデリングは繊細で微妙なんですが、大胆な発想は生まれにくいですね。限界というのは超えてみないとどこが限界だか分かりません。バサッと削り過ぎて、これではいかんと引き戻す。そうすればここまでやればいいという限界が見えてきます。
コンピューター・グラフィックスが発達していますが、立体モデルはなくならないでしょう。モデラーの感性はコンピューターに置き換えられません。