22日未明、大阪市北区内の阪神高速環状線で、事故処理中の作業員2人を後方から走ってきた乗用車がはね、そのまま逃走した。後方で事故発生の瞬間を目撃したタクシーが追走。110番通報しながら15km先まで追い詰め、駆けつけた警察官が乗用車を運転していた25歳の男を逮捕している。
大阪府警・河内署の調べによると、事故が起きたのは22日の午前0時50分ごろだという。大阪市北区西天満の阪神高速環状線で、事故処理のための交通規制を実施しようとしていた公団の下請け作業員2人が、後方から走ってきた乗用車にはねられた。この事故で32歳の男性作業員が右足切断の大けがを負っている。
乗用車はその後、隣の車線を並走していた別の乗用車と接触した直後、速度を上げて逃走を開始。この様子を直後で見ていたタクシーが乗用車の追走を行った。タクシーの運転手は110番通報を行い、逃走しているクルマの車種やナンバーを連絡。警察の到着まで電話をかけた状態で追走を行い、事故現場から15km離れた東大阪市内までこのクルマを追い詰めた。
乗用車を運転していた男は、通報を受けて駆けつけた警察官に道路交通法違反(ひき逃げ)と業務上過失致傷の疑いで逮捕されている。後の調べで男から酒気帯び相当のアルコールを検出。警察の取り調べに対しては「酒によっているのはわかっていた。途中で人をひいて、発覚を恐れて逃げた」と供述しているという。警察では送検前に酒気帯び運転についても容疑に加える方針。