補助動力付きスケーター/スクーターの事故、全国で多発!!

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警察庁は12日、昨年1月から今年9月までの間、「補助動力付きスケーター」と「補助動力付きスクーター」による交通事故が全国で23件も発生していたことを明らかにした。このうち19件は今年7月以降に発生しているという。

これは補助動力付きスケーター/スクーターが関係する事故が最近になって急増していることから、警察庁が全国の警察本部に対して事故の実数を把握するように通達し、その報告結果から明らかになった。事故数の集計対象となったのは2001年1月1日から2002年9月30日までの間に全国で起きたもの。発生した23件はいずれも補助動力付きスケーター/スクーターの乗員が負傷する人身事故だった。

最も重大な事故は今年8月に福島県内で発生している。2人乗りの補助動力付きスケーターが歩道の段差を乗り越えようとした際にバランスを崩して転倒。運転していた男性は軽傷で済んだが、同乗していた女性は転倒した際に頭を強く打ち、頭蓋骨を折る重傷を負った。

また、今年9月には車道を走っていた男子中学生の運転する補助動力付きスケーターが乗用車と接触。乗用車はそのまま逃走し、現在もひき逃げ事件として捜査が進められている。この他、交差点で出会い頭に乗用車と衝突する事故などが報告されている。

警察で把握しているのは比較的重篤なケースであり、歩行者と接触したような事故の報告例(スケーター/スクーター側が加害者)というのは1件も報告されなかった。

補助動力付きスケーター/スクーターは原付扱いとなるが、事故に巻き込まれた23人は全員がヘルメットを着用しておらず、16人は免許も持っていなかった。免許を持っていなかった運転者の中には16歳未満の者が5人含まれており、最年少はなんと9歳の女児。道路運送車両の保安基準に適合した車両も皆無で、運転者の全ては「免許ががいらない乗り物」と誤認していた。

警察庁では「これまでは集計対象になっておらず、補助動力付きスケーター/スクーターが関連する事故のうち、特異なケースとして関係者の記憶にあったものだけがピックアップされている可能性が高い。潜在的な実数はもっとあるのではないか」と分析しており、今後は歩行者が関連する事故についても実数を把握するよう、各地の警察本部に指示を行った。

《石田真一》

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