飲酒運転の末にタクシーとの正面衝突事故を起こし、道路交通法違反や業務上過失致傷の罪に問われた新潟県警・白根警察署の元署長の長男に対し、新潟地裁は13日、「短絡的で身勝手な犯行である」と断定し、懲役1年4カ月の実刑判決を言い渡した。
この事故は今年7月2日の早朝に起きた。新潟市一番堀通町の県道を走っていたタクシーが対向車線から逸脱してきたクルマと正面衝突。運転手と乗客の合わせて3人が打撲などの軽傷を負った。事故を起こしたクルマは直後に現場から逃走し、事故はひき逃げ事件として処理された。
事件から4時間後、新潟中央署に家族と一緒に出頭してきた24歳の男をひき逃げ容疑者として逮捕したが、なんとこの男は白根警察署の署長(当時)の長男と判明した。また、この署長自身がそれ以前の1999年に長男が起こした交通違反をもみ消すよう、部下に命令したことで監察官の調査対象となっていたことも後にわかった。父親の白根署長は、もみ消し依頼が偽計業務妨害であると判断されて書類送検されたことと、このひき逃げ事故がダブルパンチとなり、7月24日に辞職している。
13日の判決で新潟地裁の金子大作裁判官は「他の飲酒運転で有罪判決を受けたその執行猶予中に起した事件であり、その責任は重い。飲酒したことを自覚しながらクルマを運転し、さらには逃走するなど、短絡的で身勝手な犯行としか言えない」として、懲役1年6カ月の求刑に対して、懲役1年4カ月の実刑判決を言い渡した。
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