小さな港にこだわって不正輸出発覚!? パキスタン人のブローカー2人を逮捕

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警視庁と宮城県警の合同捜査班は7日、盗難車を中東方面に不正輸出していたとしてパキスタン人の中古車販売業の男2人を盗品等有償譲り受けの疑いで逮捕したことを明らかにした。すでに窃盗罪で起訴されている日本人の協力者が“仕入れた”クルマを安価で譲り受け、次々に輸出していた。

合同捜査班の調べによると、この男は昨年3月、すでに窃盗罪で起訴されている日本人の男から時価500万円相当のトヨタ『ランドクルーザー100』を30万円で譲り受け、宮城県の塩釜港から中東のドバイに輸出しようとしていた。

積荷が全てランドクルーザーであること、横浜運輸支局が発行した登録事項証明書が添付されていること、そして神奈川県の業者であるにも関わらず規模の小さな塩釜港からの輸出を行おうとしたことなどが税関職員の目に留まり、この職員が宮城県警に届け出たことで発覚した。

この際に関与していた5人を検挙し、窃盗や盗品等有償譲り受けの疑いで逮捕して取り調べていた。が、当初は「盗難車であることは知らない」と供述していたが、仕入れ役の日本人が別件で逮捕され、外国人にクルマを安価で卸したと供述していること。クルマに添付されていた登録事項証明書が偽造であったことや、2人の事務所から押収したフロッピーディスクに盗難手配されたクルマの車台番号の改ざん記録が残されていたことが判明。容疑が固まったとして今回改めて逮捕した。

この男らは横浜港から中東に向け、数百台のクルマを輸出していたという記録が税関に残されており、その半数程度は盗難した新車同様のクルマだったとみられている。昨春から横浜港での輸出審査が厳しくなったため、規模の小さな塩釜港にスイッチしたものとみて、経緯などを追及していくという。

クルマのような工業製品の場合、通常の輸出には大型貨物船の乗り入れ可能な仙台港を使うのだが、この2人は魚介類を水揚げすることで知られる塩釜港にこだわったことも発覚の一因になった可能性が高い。

《石田真一》

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