訓練が「実際」に---原付バイクの事故で意識不明の男性、ヘリが助ける

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7日午後、香川県直島で38歳の男性が運転する原付バイクが転倒し、この男性が一時意識不明の重体となる事故が起きた。一時は生命も危ぶまれたが、訓練でたまたま島を訪れていたドクターヘリがこの男性を緊急搬送し、男性は一命を取り留めることとなった。

警察の調べによると、この男性は7日の午後4時40分ごろ、瀬戸内海に浮かぶ離島である直島(町)の町道を原付バイクで走っていた際、運転を誤って道路脇の工事現場に突っ込み転倒。その弾みで頭を強打して意識不明となった。

島には高度な治療を行える医療機関が無く、通常は県の防災ヘリが患者の移送を行うのだが、この日は偶然にも岡山県倉敷市にある川崎医科大学のドクターヘリが訓練のために訪れており、救急医療の専門スタッフもヘリに同乗して島に訪れているという幸運があった。

連絡を受けて現場に急行した医師は緊急手術が必要であると判断。クルマでヘリポートまで搬送し、待機中のヘリコプターに乗せて川崎医大まで急行した。事故発生から搬送までに要した時間はおよそ30分で、病院到着後10分で緊急手術が始まるという手際のよさ。事故を起こした男性も一命を取りとめ、容態も安定しているという。

今回は偶然が良い方向で重なったが、こうした離島で交通事故が起きた場合、治療が間に合わず死に至るケースも多い。警察では「事故を起こさないことが一番重要だが、今回は事故の発生以外は全て幸いに傾いた」とコメントしている。

《石田真一》

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