フォードは電気自動車事業の「TH!NK」プログラムを閉鎖することを決定。アメリカでは3連休に入る金曜日(8月30日)に発表、少しでも報道を遅らせる目的だった、と勘ぐられている。
もともとはノルウェイの会社だったTH!NKを2300万ドルで買収して3年、その間のフォードのTH!NKオペレーションは「お粗末」の一言だった。1億ドル以上を投資しながら、TH!NKを大々的に売り出すこともテクノロジーの改良を加えることもできなかったのだ。ライバル、ダイムラークライスラーがスマートを導入し、ゴルフカートの公道版などにも力を入れていたのとは対照的。
しかもフォードは2年前、「アメリカの環境重視をモットーとする自動車メーカーとしてトップを目指す、と発表している。フォードでは今後TH!NKに替わりガソリン-エレクトリック・ハイブリッドや燃料電池、クリーンディーゼルなどで環境問題に取り組む、としているがイメージダウンは免れない。
フォードにとって深刻なのは、来年から実施されるカリフォルニア州のZEV法案へのクレジット対象車両が不足していることだ。そのためにTH!NKを導入し、一定パーセントを無公害車である、としたかったのだが、TH!NKが失敗に終わったことで、ZEV法案施行に間に合わせることができるのかは微妙なところ。ただしそうした事情はGMやクライスラーも同じで、トヨタ、ホンダといった実際にハイブリッドを市販したりULEVクレジットを取得しているメーカーとは大きな差がある。
今後ビッグ3がカリフォルニアの法案に対してどのような手段に訴えるのかにも注目が集まるところだ。
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