今月25日深夜、栃木県大平町の路上で、48歳の男性が暴走族の襲撃を受け、散弾銃の一部を奪われたという事件で、栃木県警はこの男性が散弾銃で暴走族を威嚇しようとしていたという見方を強め、27日深夜に銃刀法違反(用途外携帯、不適正保管)などの疑いで逮捕したことを明らかにした。
この事件は今月25日の午後11時55分ごろ発生した。大平町西野田の県道を48歳の男性がクルマで走っていたところ、対向車線を走ってきた暴走族グループが男性のクルマを取り囲み、危険を感じて逃げようとしたこの男性に殴る蹴るなどの暴行を行ったうえ、クルマのトランクに収められていた散弾銃の一部を奪い去って逃走したというもの。弾丸を発射する肝心な部品は別にしてあり、幸いにも盗まれていなかったが、警察では暴走族グループが男性を襲撃した理由を含め、不審な点が多いとして捜査を続けてきた。
実は弾丸の発射に必要な先台(さきだい)と呼ばれる部品も、実弾5発もトランクの別の場所に収納されており、トランクを物色したというのなら、これらも一緒に持ち去らない理由は無いと警察官が追及したところ、被害にあった男性自身が「よく覚えていないが、取り出したのは自分かもしれない」と供述。その結果、暴走族が進路を塞いでいたことに腹を立てた男性自身が暴走族を煽り、停車したときにトランクから散弾銃を取り出して威嚇していたことが判明。銃刀法違反(用途外携帯、不適正保管)容疑で男性を逮捕した。
盗まれていた銃身などの部品も現場近くの水田に投げ捨てられているのが見つかっており、警察では残された指紋から奪い取った暴走族メンバーの特定も進めるとしている。