今回、G-BOOK端末の"目玉"になるのが内蔵データ通信ユニットの「DCM」。しかし、G-BOOK端末で扱う情報はDCMのみで取得するわけではない。
もうひとつの情報の出入り口。それがSDメモリーカードだ。G-BOOK端末はSDメモリーカードをあらゆるデーターを保存する主記憶装置として使う一方で、大容量データーを車内に持ち込むための容器としても使っている。
では、DCMとSDメモリーカードの役割分担はどうなっているのか。e-TOYOTA部企画・総括室G-BOOKグループ長の藤原靖久氏は、
「(役割分担は)扱うデーターのサイズによって決まります。例えば地図や音楽配信の楽曲は数メガバイトのサイズになる。これを最大144KbpsのDCMで受信するのは無理があります。また将来的にはOSのアップグレードも、EタワーからSDメモリーカードを書き換える形で行います。こういった大容量データーはEタワーを使って、SDメモリーに直接ダウンロードした方が効率的です」と話す。
もちろん、SDメモリーカードを直接パソコンに差し込む事もできるが、 「地図や音楽配信のサービスをパソコンでするには著作権保護の問題がある。それに、すべてのユーザーがブロードバンド環境の整ったパソコンを持っているわけではありません。大容量データーの配信サービスはEタワーを使う方法が現実的です」(藤原グループ長)とのこと。当面は、ニュースや交通情報、カラオケデーターなどサイズの小さなモノはDCMで、それ以外の大容量データーはSDメモリー経由でEタワーから、という形になりそうだ。
しかし、気になるのはEタワーの設置状況である。
トヨタ自動車では、 「ファミリーマートやスリーエフなどコンビニを中心に置いています。年内には全国10370ヶ所に設置される予定です」(広報室)というが、G-BOOK端末でのEタワーの重要度を考えれば設置箇所はまだまだ少ないだろう。またガソリンスタンドや高速道路上のSA・PA、道の駅など道路関連施設への展開が進んでいないのも不満だ。DCMとSDメモリーの使い分けは利にかなっているので、Eタワーの設置推進にがんばってもらいたいところだ。