兵庫県警は18日、過去10年に管内で発生した中学生以下の子供が関係する交通事故を分析した結果、自宅から100メートルの範囲で事故のに巻き込まれるケースが3割を超え、自宅から500メートルの範囲で換算すると7割近くになることを明らかにした。慣れていると思い込んでいる自宅周辺こそ注意が必要であることをデータが裏付けた。
今回県警が集計したデータは、1992年から今年6月30日までに管内で発生した交通死亡事故のうち、中学生以下の子供が犠牲となったものをまとめたもの。事故で亡くなった子供は78人(未就学児36人、小学生31人、中学生11人)で、それぞれのケースで事故発生場所と自宅の位置関係を割り出し、その距離を調べた。
その結果、自宅から50メートルの範囲で死亡したのは14人、51〜100メートルまでの範囲では15人となり、半数近くが自宅のすぐ近くで事故に巻き込まれていることがわかった。通学圏内と判断される自宅から101〜500メートルの範囲でも19人が亡くなっているので、自宅から500メートルまでの範囲に被害が集中していることがわかる。
自宅から離れた場所に行くときは、保護者も「気をつけなさい」と注意を喚起するが、自宅から近い距離ほど危機感が薄れる傾向にある。子供自身も身近に危険があることを想定しておらず、ちょっとした油断が重大な結果を招くことを忘れている。
県警では「夏休みを前にこうしたデータを公表することで改めて注意を喚起し、自宅の近くこそ危険が生じやすいことを告知する狙いがあった」とコメントしている。