青森県は16日、木村守男知事の公用車の運転を担当する男性職員(運転技能技師)が2000年と2001年にそれぞれ1回ずつの交通違反を行い、免許停止処分になっていたことを明らかにした。ハードスケジュールが原因で標識を見落とすなどのミスが原因。複数の新聞社が県の情報公開制度を利用して請求した運転日報によって発覚したもので、県としては16日になってこの事実を正式に認め、公表している。
県によると、最初の違反は2000年7月3日で、木村知事が宮城県内で開催された国際セミナーに出席後、県庁に戻るまでの帰路に起きた。公用車が東北自動車道を走行中、碇ケ関インターチェンジ付近で20km/hの速度超過を行い、青森県警の覆面パトカーに発見、検挙された。
2回目の違反は2001年5月7日で、五所川原市から青森市に帰る途中、浪岡町大釈迦付近で進入禁止違反をしたところをパトロール中の警官に発見、検挙されている。この検挙による累積点オーバーから、運転手は30日の免許停止処分を命じられ、一時的に職を離れた。しかし、復帰の決まった同年7月には「健康上の理由により激務に耐えられない、異動を希望する」という本人の申告があり、秘書課では本人の希望どおりに8月にこの運転手を解任し、異動させたという。
知事公用車は昨年だけで約4万8000kmを走行しており、2000年度もほぼ同様の距離を走っている。運転手は早朝から深夜まで知事の行動に沿って公用車の運転を行うが、本人が「激務に耐えられない」と申告するように、相当のハードスケジュールだったようだ。
公用車の運転手が交通違反を重ねた事実の公表を県が差し控えていたことについては、16日の段階で「軽微な違反であり、人身に関わることでもないので公開を見送ってきた。反則金についても運転手本人が支払っており、県の予算からは行使されていないため」とコメントしている。