5日午前、埼玉県戸田市内のレンタルビデオ店駐車場の一角にあるカード会社の現金自動支払機をショベルカーで破壊しようとしていた男たち3人を、散歩中の男性が見つけ、警察に届け出た。犯人と見られる男たちは目撃されたため、何も盗まずに逃走している。
警察の調べによると、事件が起きたのは5日の午前5時20分ごろで、戸田市新曽のレンタルビデオ店駐車場の一角に置かれたATM(現金自動預払機)が収められたボックスを、2−3人の男がショベルカーで壊そうとしているのを散歩のためにたまたま現場を通りがかった男性が目撃した。男性はすぐに110番通報を行ったが、男性が目撃していたことに気づいた犯人グループは現場近くに止めてあったクルマで逃走し、姿を消した。
通報によって駆けつけた警察官が調べたところ、被害に遭ったATMは完全には破壊されておらず、中にあった現金も無事だった。犯行に使われたショベルカーは現場近くの建設会社の資材置き場に置かれていたもので、建設会社の従業員が4日夜に退社する際には置かれていることを確認していたことから、犯行直前に何者かが盗み出したものとみている。
犯人は作業着を着た中年の男性で、「工事中」の立て看板を置いて犯行をカモフラージュしようとしていた。関東では同様の現金強奪事件が相次いでいるが、これまでは神奈川県内での犯行が最も多かった。警察では手口が似通っていることから、神奈川で犯行を行っていたグループが埼玉に流れてきた可能性もあるとして警戒を強めるとともに、県内の工事業者に対して重機の保管をしっかりするように呼びかけている。
犯人グループは重機とトラックを別々の場所で盗み、犯行後は重機を現場に置き去りにしてATMの筐体を積んで逃げるというパターンを繰り返しているという。