東京都八王子市は29日、市の増収案として計画していたゴミ収集車への車体広告の掲示について、東京都から屋外広告物条例の規定違反を理由に断念を求められていたことを明らかにした。
これは八王子市が低迷する市の財政を救おうと、市内を走るゴミ収集車の車体側面部を広告スペースとして提供する計画を打ち出した。これにより、市には年間数百万の広告掲示料を得られることになり、税収の落ち込みをフォローできると考えられていた。
ところがこれに待ったを掛けたのが東京都。「ゴミ収集車に広告を掲示することは、都の屋外広告物条例に違反する」と、計画を見直すように指導したという。
しかし、その指導を行った東京都が財政支援を理由に、条件付でバスや列車の車体への広告提示を認めてきたという経緯がある。東京都交通局はバス車体スペースの明け渡しにより、赤字の大幅圧縮に成功している。
八王子市では「都がやるのは良くて、自治体はダメという確固たる理由が提示されておらず納得できない。違反を承知で車体広告を解禁したのは東京都自身なのに…」と反発しており、今後の成り行きが注目される。