岐阜県警は27日、刑事になりすまし、厚紙で作った手製の警察手帳を見せ、交通違反を見逃す謝礼として3000円をドライバーから騙し取っていた68歳の男を詐欺容疑で逮捕したことを明らかにした。
警察の調べによると、この男は27日の午前10時45分ごろ、岐阜県恵那市長島の路上で一時停止違反をした46歳女性の運転するクルマを止め、免許の提示を要求した。この女性は当時免許証を携帯しておらず、「今は持っていない」と告げると、この男は「私は恵那署の交通課長だ。本当は二重の違反になるのだが、今回は3000円払えば見逃してあげる」と言い、この女性から現金を受け取った。
その後、この男は現場から立ち去っていったが、主婦は「どこかおかしい」と気づき、恵那署に照会を行い、今回の事件が発覚した。通報を受けた恵那署員が周辺の捜索を行ったところ、女性の目撃証言どおりの服装をした男が歩いているのを発見した。
男は警察官の姿を見るなり、足早に立ち去ろうとしたため、追い詰めて所持品検査などをしたところ、胸のポケットから偽の警察手帳を発見したため、詐欺容疑で逮捕したという。警察の調べに対し、この男は「今は何も話したくない」と完全黙秘をしている。
警察では周辺で同様の詐欺事件が発生していないか、聞き込み捜査を続ける方針。なお、この男の持っていた偽造手帳は厚紙を黒く塗り、金文字で「警察手帳」と書かれただけのずさんな代物だったとされる。