北海道で17日、ナンバープレートカバーを使用した状態で65km/hオーバーのスピード違反を行い、オービスの撮影を受けたクルマの運転者が警察の科学捜査研究所が行った画像解析の末、逮捕されるという事件が起きた。道路交通細則などでプレートカバーの着用禁止を定める自治体は増加の一途をたどっており、まもなく20都道府県に達する。しかし、着用違反をどのようの方法でチェックしているかについては意外に知られていない。
警視庁(東京)での場合、ナンバープレートカバーのみを目的とした取締りはここ最近行われておらず、多くの場合は違法改造やスピード違反の一斉取締りなど、他の摘発と同時に行われることが多い。プレートカバー専門の取締りでは、首都高の芝浦パーキングエリアなどで駐車している“ルーレット族のクルマ”を対象に行われたという実績がある。
警察によると、ドライバー自身が勘違いしやすく、取締りの現場で必ず警察官と論争になるのが「自分が使っているプレートカバーは違法ではない」というもの。最近、無色透明のカバーが増えてきているが、「これは赤外線を吸収するタイプではないから違法じゃない」と主張するドライバーが多いそうだ。東京都が定めたプレートカバー禁止の条項は「自動車登録番号標又は車両番号標に、赤外線を吸収し又は反射するための物を取り付け又は付着させて、大型自動車、普通自動車又は特殊大型自動車を運転しないこと」とされており、たしかに違法行為には当たらない。多くの場合は「できれば外してください」と指導するに留めるが、取り付けの際にプレート自体を傾斜させ、前方からの視認を著しく低下させる構造のものについては、違反として摘発はしないものの、その場での取り外しを指導しているという。
問題なのは赤外線を吸収し、オービスでの撮影を無効にしてしまうタイプのカバーを装着していた場合だ。警察によれば現在でもこれを使用している運転者はある意味で“確信犯”であり、厳しく対処しているという。オービスと同じ赤外線ストロボを装備したCCD方式のビデオカメラと、赤外線フィルター装備のデジタルカメラ、赤外線ストロボを使用したポラロイドカメラの3種類で撮影し、ナンバーが写らないことを確認できた段階で検挙、違反キップの交付を行うという。プレートカバーも捜査上の証拠としてその場で押収されることとなる。
だが、これらのクルマは取締りを逃れるためにプレートカバーをしているのであり、こうした摘発を逃れることに全力を尽くしており、全く排除する状況にはなっていないともしている。