保険金を騙し取るはずが支払うはめに---警察官もあきれる犯罪

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交通事故の賠償金を騙し取ろうと、故意に事故を起こしていた容疑で大阪府警に逮捕されていた男が、起こそうと目論んだ事故が“不発”に終わり、「逆に自分が加害者として賠償金を払わされたケースがあった」と供述していると、大阪府警が19日に明らかにした。これらの事故で被ることになった損害賠償が男の経済事情を圧迫。保険金詐欺を加速させる要因になった可能性もあるとして、慎重に捜査を続けている。

この男は総額1000万円を超える保険金を騙し取っていたとして、3月31日に大阪府警が逮捕している(既報)。ところがその後の取調べで余罪を追及した際、2年間で起こした20件の事故のうち、8件は失敗に終わり、自分が加害者として相手への賠償金支払いを行っていたと供述した。警察が裏付け捜査を行ったところ、たしかに8件の事故はこの容疑者が加害者として記録されていることがわかった。

また、この男は元々運転がかなりヘタで、2年間に起こした詐欺目的の事故以外にも9件の事故を起こしていたことも判明。これらはいずれも軽微な物損事故だが、車幅感覚が無いことが原因で起きたとしか考えられないケースばかりだったという。また、あまりにも事故が多く、保険会社が支払いを拒否するケースが増えてきたため、虚偽の事故を起こそうとした際の失敗で生じた賠償金を自分で捻出しなくてはならなくなり、これがさらなる犯罪に向かわせる要因にもなったと供述しているという。

警察ではこの男をいくつかの容疑で再逮捕しているが、あまりの計画性の無さに「最近の保険金犯罪でここまでずさんなものも珍しい」とコメントしている。

《石田真一》

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