KS 写真で見るよりも実車のほうがカッコいいですね。ボルボのボクシーな感じもあり、洗練された感じもある。イエローゴールドの外装に白の内装という色も良かった。
S ボディ後半のなだらかなルーフラインが、うまくパーソナルな感じを出しているよね。
F 俺はテールの切りかたとか、フロントマスクのボリュームづけとか先代3シリーズにちょっと似ていると思った。でも、スタイリング基本は、Cクラスや3シリーズと同じ手法だ。ボディサイドはメリハリがうまくついている。
S インテリアも、誰にでもわかりやすい北欧モダンって感じ。
F ボタンは大きく使いやすいし、操作系のタッチも優れている。雑誌のデザインて、本文の文字が小さいとかっこいいレイアウトがしやすいけどその分文字が読みにくくなる。でもこのクルマの場合は、本文の文字が大きくレイアウトもかっこいいし、読みやすい。
KS 品質感ではアウディと肩を並べている感じがしましたね。そして乗り心地がいい。乗り心地というものを意識させないぐらい。なめらかで。どこもささくれ立ったところがない。やさしい感じがしました。
F クルマ全体の印象もそうだよね。なめらかで、どこもささくれだっていない。エンジンのフィールもそうだし、トルクも下からある十分にあるから、アクセルを踏んでぶん回すというアグレッシブな気持ちにならなくても、ちゃんと走れる。
S デザインにしても走りにしても、とにかく乗っている人の気持ちをリラックスさせよう、落ち着かせよう、という意思が感じられるね。
F BMWだと、ついガバッと踏んで競争したくなる。アウディもスピード出していくら、ってところがあるし。
S だから逆に、飛ばすのが好きな人だとS60は退屈なクルマだ、と思うかもしれない。まあ今回の試乗は市街地ばっかりで、飛ばすセクションがないからわからなかったけど。
KS 値段を見るとお買い得とはいわないけど、Cクラスとか3シリーズとじゅうぶん比較できるクルマですね。日本ではアウディより売れているし。
F ただ、いわゆるスポーツサルーンというにはどうかな。スポーツをして汗をかくさわやかさはないけど、乗っていると気持ちよく走れる。
S ボルボの思惑と違う結果になるけど、スポーツサルーンではないと思ったな。
座談会メンバー
S:陶山拓(まとめ)
KS:佐藤耕一(auto-ASCII)
F:藤田耕治(auto-ASCII)
取材協力:JAIA輸入車試乗会