『アテンザ』はじめ同クラスプラットフォーム車の開発を監督する金井誠太(かない・せいた)統括主査は、アテンザの開発ベンチマークとして走りはBMW『3シリーズ』、パッケージングはVW『パサート』をあげる。それらの長所をすべて備え、上回ることが目標だった。
ハッチバックのラゲッジルームは、ななめ後ろ、荷室の対角線延長の車両直後に立って見たときに広さをいちばん実感できる(金井統括主査のおすすめ)。「フロア高さを下げるだけならあと20−30mmは可能だが、ストラットが室内に突出します。そうしたくはありませんでした」。ちなみにリアサスペンションのE型マルチリンクは、18年前に金井統括主査が設計を手がけたものから進化を続けて、アテンザ向けに今回新開発されたものだ。
なおフォード『モンデオ』との部品共有はまったくないという。提携が強化されたときにはすでにそれぞれ開発が進んで、後戻りしてまでの共通設計は得策ではなかった。またアテンザは2001年中の発売予定を02年に遅らせて熟成をはかった。その問題点がいずこにあったのか関係者から返答を得られなかったが、ユーザーとしては待った甲斐はあったようだ。