第8回ITS国際会議で目立ち、VICS、ETCに続くITS第3弾と目されて注目されたのが「DSRC」(Dedicated Short Range Communication、狭域無線通信)の応用システムだ。
この無線通信ではアクティブな双方向通信が可能で、これはすでにETCでも利用されている。これをさらに応用範囲を拡大してファーストフードのドライブスルーや、ガソリンスタンド、駐車場管理の料金決済を自動化しようというものだ。また、情報提供サービスや音楽・映像といったマルチメディアのデータ配信など、新たな需要を掘り起こすものとして期待されている。
ただ、日本ではこれらを取り扱う省庁間の調整が難しいとされ、たとえばETCは国土交通省の管轄下にあり、ファーストフードなどの料金決済では経済産業省の管轄となることで、同じシステムが流用できにくいという悩みがある。松下のデモ機がETC/DSRC二つのスロットを設けているのもこうした面への対応を図るための試作機となっている。三菱電機は実際の使用例をシュミレーターを使って体験するコーナーを設けていた。